Life is full of wonder

日々の徒然、独り言。

腕時計

先日、腕時計を買った。

といっても新品ではない。

とても古い、それこそ私と同い年ぐらい前に作られた時計だ。

良く雑誌を見ると、大人の女性にふさわしい時計特集とか、ご褒美特集とかで高級な時計を紹介している。とてもじゃないが手が出ない。手が出ないというのは金額はもちろんだか、その必要性が私にはないからだ。自営業で作業が多いため、普段時計をする習慣がない。そして今はスマートフォンが時刻を教えてくれるので腕時計を持つ必要もない。加えて私は腕時計に高額をつぎ込むほどは好きではない。というわけで頑張って買おうという気持ちにはならない。

もともと私が唯一持っていたのは、母が若い時に使っていた古い腕時計だ。

それは手巻き式の、とても小さな文字盤の、クラシックなデザインのもの。

手巻きのいいところは、いざ使おうというときに電池切れで使えないということがないことだ。

自動巻でもいいだろう。実は私は以前自動巻の腕時計も持っていた。けれど事情があってお金が必要だった時に、手放してしまった。人気のブランドだったため、買った時と同じぐらいで売れて驚いたものだ。まあそれはともかく、たまにしか使わないので、それで十分だった。

 

数年前、ネットサーフィンをしていてふと目に止まった。

いわゆるアンティークの腕時計。

金色の枠に白の文字盤、カットガラスの風防。ベルトはオリジナルのものではなかった。多分経年で劣化したのだろう。黒いリザードの艶々したベルトが付けられている。エキゾチックレザーは好きではないが、なぜかその腕時計のクラシックな感じを良く引き立てていた。

シンプルで機能的だが、美しさも兼ね備えている。私はつんのめるようにその腕時計を買い求めた。比較的状態が良く、国産のアンティークにしてはそこそこのお値段だったが、すっかりその腕時計に魅せられてしまっていて、もはや手に入れずにはいられなかった。

セイコー製で、モデル名は「クィーンセイコー」と言う。

裏に王冠マークがあり、デザインからみて初代モデルの普及版かもしれない(K18版があるので)

浮かれて買ったが、実は数回しか使っていない。大好きなのだが、やはり私の生活に腕時計は必要ないらしい。また腕時計が真面目でかっちりした雰囲気を持っているので、カジュアルな着こなしにはあまり合わない気がして出番が遠のく。それが分かっていながら、私はその後、クィーンセイコーの二代目モデルも手に入れた。

そしてさらに、先日また買ってしまった。しかもまた初代モデル。風防だけが少し違う。ほぼ同じようなものをなぜ買ったのかというと、実はこれまた先日購入したバッグに合わせるためである。

私は黒が好きで、服や小物は黒が多く、特にバッグは黒をメインに使っている。だから腕時計も黒いベルトなのだが、珍しく茶色のバッグを買ったのだ。そしてそのバッグを使う時に、どうしても茶色のベルトの腕時計をしたくなってしまった。そのバッグはとてもクラシックな雰囲気だったから、もし使うならばその時は絶対同じムードの腕時計があった方が素敵なのだ。

ベルトだけを買ってその都度合わせて付け替えることも考えたが、あまり器用でない私が、細かなものを扱って傷をつけてしまっては元も子もない。だから付け替えるのはやめてもう一本買って使い分けることにした。ベルトが気に入らないので今は好みのベルトを探しているところだ。バッグの色合いにぴったりのベルトが見つかるといいのだけれど。

涼しくなる頃には、揃いで身につけて出かけようと思っている。