美容

それほど美容に関心がない。

容姿も顔も褒められたことはほとんどないので、そもそもそれらに磨きをかけようという気持ちになれない。

とはいえ、ほったらかしではそれこそお粗末だろう故、必要最低限は身だしなみを整える義務はあると思っている。そんな程度だ。

年齢的な劣化も納得しているし、理想がないので別に悩みもない。作り込みすぎた化粧も自分らしくないので、美白にもアンチエイジングにも興味はない。

しかし、最近自分をちょっと大切にしたくなった。

他人様のためでなく、あくまで自分の心地よさ、自分への思いやりでお手入れを見直すことに決めた。

きちんと化粧品で潤し、しっとりしたクリームを塗る。ただそれだけ。

しかし、それすらもおざなりにしてきたのだ。ごめんよ私。

肌は、みるみる美しくなり…などという奇跡は起こらないが、手触りが驚くほど滑らかになった。

シミもあればシワもある。もっとしっかりお手入れをしていたら、もっと肌は綺麗だったのかもしれない。しかしこれまで肌はそこそこ安定していたからこそ、あまりお手入れに熱が入らなかったという面もあるかもしれない。サボった分のツケは大きい。しかし、今からでも遅くても続けようと思う。

毎日見ているから、それほど変化はない。化粧品を買ったお店で褒められるのは、これはお追従なので、言われるほど変化はないのもわかっている。ただ、自分を慈しむことは、とても快い。美容なんて無縁だと思っていたが、今は朝晩のお手入れがちょっと楽しみだ。

今さら美人にはなれないが、(素肌の)きれいな人にはなれるかも。